約分すると 分母と分子の数字が変わるのに、どうして同じ数として扱っていいのか?
約分 分数 小学校5年生 算数
分子と分母を同じ数で割って、これ以上割ることができない数(最小の整数)にしまーす。
多くの場合 このように約分を勉強します。
「どうして数字を変えてしまうのに 同じ数として扱えるんですか?」という疑問に対する考え方を書いてみます。
分数は 計算する前の割り算
誤解を恐れずに伝えると、分数は 計算する前の割り算だと 考えることもできます。
15/5(5分の15)は、15÷5を表し、15÷5=3と計算することができます。15/5(5分の15)は、「5」と「15」という2つの数字の関係を使って、「3」という数を表す分数です。
分数は 計算する前の割り算です。2つの数を使って 3つめの数を表現する仕組みが、分数です。
30/10(10分の30)は、30÷10を表し、30÷10=3と計算することができます。30/10(10分の30)は、「10」と「30」という2つの数字(分母と分子)を使って、「3」という3つめの数を表す分数です。
15/5も「3」を表すし、30/10も「3」を表します。
だから!
分母と分子の数字が 違っても(15/5 と 30/10)、分母と分子の数字が組み合わさって(割り算されて)表現される3つめの数(3)は、同じ数になります。
これが約分の仕組みです。
分数と約分 小学生 算数
約分というテーマ(単元)の時間は、約分の操作ばかりを練習するので、しばらく時間が経ってから「ところで 約分って 何?」という 素朴な疑問が わきあがることも 多いようです。
分数は 割り算です。
上÷下 = 上/下
このように「うえ わる した」と絵を描きながら覚えると、割る数と割られる数の関係が ちょっとだけ覚えやすいかと思います。
分母と分子の組み合わせが 3つめの数を表す様子は、分母と分子で 割り算して 手を動かして 答えを出すことで、感覚的につかみやすくなります。
言い方を変えると 分数が表す数は、直接的に 分母と分子に書かれている数ではない ということです。
分数の仕組み 約分
もう少し例を出します。
3/4(4分の3)も、 6/8(8分の6)も、 9/12(12分の9)も、割り算を計算すると すべて「0.75」になります。
3/4(4分の3)も、 6/8(8分の6)も、 9/12(12分の9)も、「0.75」を表しているということです。
分数は、あくまで 分子と分母の数字の関係によって表される(というか 割り算することによって はじめて分かるので、隠されている?)数を 表現するための仕組みです。
だ か ら。
分母と分子は その数字を(規則に従って)いじくって 「約分」という操作をしてもいいんです。
分数と約分 小学生
約分は、分子と分母を同じ数で割るだけなので、操作そのものは単純です。
ですが、その仕組みを理解しようとすると、ちょっとだけ高いハードルを飛ぶことになります。
整数も小数も、「2」と書いてあったら「2」だし、「11.3」と書いてあったら「11.3」です。
「2」を2で割って「1」にしてしまったら、「2」と「1」で違う数になってしまいます。
分数は、整数や小数とは、数の表し方の仕組みが違うんです。ここを、時間をかけながらゆっくりと説明すると、分数と約分が ちょっとだけ理解しやすくなります。
お読みいただきありがとうございます。
分数に対し「うーむ」という状況になってしまったときに、チラッと思い出していただけるとうれしいです。
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